松方冬子編『日蘭関係史をよみとく』
<rdf:RDF xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#" xmlns:trackback="http://madskills.com/public/xml/rss/module/trackback/" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"> <rdf:Description rdf:about="http://sagaigaku.sagafan.jp/e758202.html" dc:title="松方冬子編『日蘭関係史をよみとく』" dc:identifier="http://sagaigaku.sagafan.jp/e758202.html" dc:subject="" dc:description="æ¾æ¹å¬å­ç·¨ãæ¥&egr・・・" dc:creator="洋学" dc:date="2015-07-25T17:17:20+09:00" ></rdf:Description> </rdf:RDF>
松方冬子編『日蘭関係史をよみとく』
2015年07月25日
洋学 at 17:17 | Comments(0) | 書評
松方冬子編『日蘭関係史をよみとく(上巻つなぐひとびと)』(臨川書店、2015年6月30日、4200円)が出た。編者は、序論で江戸時代の日本は金銀銅の産出国であったこと、江戸時代の日蘭関係は国と国の関係でなく、かかわった人の関係であることとして、日蘭関係をつなぐ人々のありようからよみとくことにしたと述べた。つなぐひとびととした由来である。◆第1部日本とつきあうでは、第一章松方冬子「一七世紀中葉、ヨーロッパ勢力の日本遣使と『国書』、第二章福岡万里子「幕末の日蘭関係と諸外国ー仲介国としてのオランダー」、第三章パトリツィア・カリオティ(クレインス桂子訳)「長崎の唐人社会」で、外交使節、領事、唐人の人と交易関係を述べる。◆第2部長崎にすまうでは、第四章鈴木康子「天明前期の長崎情勢と長崎奉行の特質」、第五章松井洋子「出島とかかわる人々」、第六章イザベル・田中・ファンダーレン「オランダ通詞と「誤訳事件」-寛政の「半減商売令」をめぐって」で、長崎奉行、商館員、通詞などの長崎貿易にたずさわる人々の実態を述べた。◆第3部蘭書にまなぶでは、第七章益満まを「草創期の京都蘭学ー辻蘭室文庫の書誌的考察ー」、第八章上野晶子「江戸幕府の編纂事業における『厚生新編』と蘭学の「公学」化」、第九章勝盛典子「蘭学と美術ー北山寒厳・馬場良の事績と舶載の世界地図をめぐってー」では、京都の蘭学者辻蘭室にみる蘭学の浸透や、蘭学の幕府「公学」化、美術への影響を述べた。◆最後に編者は、下巻へのいざないとして、上巻が人をとおしての日蘭関係を描いたが、下巻はモノをとおしての日蘭関係を描くとした。じつに興味深い論考ばかりであり、時間をかけてよみとくことにしたい。