top of page

井上友庵の医療道具(4)ランビキ


井上友庵の医療道具(4)ランビキ

◆西洋の外科道具にはランビキは欠かせないものです。友庵は、赤金のランビキ一組を代65匁で購入予定です。やはり、かなり高価です。ランビキのウィキペデイアの説明が、おそらくミヒェル先生が執筆されたものでしょうが、もっとも的確です。「ランビキまたは兜釜式焼酎蒸留器(かぶとがま-)は、日本で江戸時代に薬油や酒類などを蒸留するのに用いた器具。「羅牟比岐」、「らむびき」、「蘭引」、「らんびき」とも表記される。 この蒸留器具の原型は、9世紀のイスラム帝国宮廷学者ジャービル・イブン=ハイヤーンが発明したとされるアランビック蒸留器で、「ランビキ」という日本での呼称もこれに由来する。ただし、ヨーロッパで用いられたアランビック蒸留器(英語: Alembic)とは形状が異なり、三段重ねの構造となっているのが特徴である。この蒸留器具の日本への伝達経路や時期については不明な点が多く残っている。」とあります。 ◆ランビキに関する論文は、ヴォルフガング・ミヒェル「村上医家史料館のランビキについて」。W・ミヒェル・遠藤次郎・中村輝子『中津市歴史民...俗博物館 分館村上医家史料館蔵の薬箱及びランビキについて』、福岡、2005年、70-78頁。(pdf版)が良い文献です。 ◆南蛮人が持ってきたもので、アラキ酒という蒸留酒をつくり、消毒などの医療に用いました。写真は大分県中津市村上医家史料館にあるランビキとコンロ、そしてその構造図です(ウイキペデイアより)。赤がね製のものは、内藤記念くすり資料館にもあります。武雄蘭学資料館には、28代領主鍋島茂義が御庭焼の窯で焼かせた豪華な磁器製ランビキが所蔵されていますが、特別製です。京都の小石家には硝子製のランビキがあります。一般には、写真のような陶器製のランビキが作られて各地に残っています。かならずしも医家だけでなく、蘭学趣味の素封家の家にも残されています。


特集記事
記事一覧
アーカイブ
タグ
まだタグはありません。
Follow Us
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page