文部科学省科研費補助金「九州地域の種痘伝播と地域医療の近代化に関する基礎的研究」(略称:種痘伝来) 28年度第1回研究会開催要項
28年度第1回研究会開催要項 各位 入梅の候ですが、いよいよご清栄のことと拝察いたします。さて、薩摩や日向での種痘の状況調査のため、下記の要領で、研究会を開催いたしますので、ご参集ください。 日時 7月16日(土)~7月17日(日) 内容 1.薩摩・日向地域種痘資料調査...
大庭雪斎
佐賀医学史話。大庭雪斎について ■大庭雪斎はシーボルトに学んだか。 大庭雪斎、名は忞(つとむ)、字は景徳。雪斎と号す。佐賀藩士大庭景平(仲悦)の子で、同族の大庭崇守(寿庵)の養子となる。文政年間に島本良順(龍嘯)について蘭学を修行した。その後、長崎に出て、シーボルトに師...
松隈甫庵・竹内新八・鮎沢周禎・吉益南涯
◆27日、野中家史料を整理していたら、佐賀藩医松隈甫庵の筆写した『方函』(医療の処方集を記したもの)の冒頭に、次のような記述を見つけた。「方函 信州竹内氏之所蔵也。門人鮎沢氏は同郷人也。寓居于江都数十年、于茲名声頗藉也、予偶其門游而得之、抜出衆方中最適用之方也」とある。以下...
烏犀圓と『重刻太平和剤局方』、日本薬局方
◆26日から三日間、野中家史料調査と目録づくり。仮番号をつけたカードと箱の中の史料を見比べて、分類をしていく地味な作業。ときどきさまざまな史料に出会う。昨日は『重刻太平和剤局方』(正保4年・1647)が見つかった。◆写真は、『重刻太平和剤局方』のなかの烏犀圓の成分を紹介した...
若山健海の種痘資料
本日は片道5時間かけて宮崎県日向市の若山牧水の生家(写真)と牧水記念文学館にでかけて、夜9時ごろ帰ってきました。若山牧水は、「幾山河越えさり行かば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆく」や「白鳥はかなしからずや空の青、海のあをにも染まずただよふ」などの歌を詠んだ歌人です。◆信州の...
佐賀藩引痘方記録
安政六未卯月ヨリ 引痘方諸控 (印) 徳明(花押) 安政六年未四月十五日 請役所御用ニ而引痘方掛り合一順被仰付候 未五月江戸詰被仰付候 津田春耕 野口文禮 同六月御広式御附被仰付 池田栄庵 同香焼詰被仰付候 石井長庵 右四人最前y懸り合被仰付置候 田原文哉...
除き物の研究
◆いささか旧聞に属するが、『日本歴史』3月号の歴史手帖に石田千尋「幕末期の御用誂物と日蘭関係」が掲載されている。 ◆石田氏は、日蘭貿易でオランダ船が持ち渡った品物には、①本方荷物、②脇荷物、③誂物、④献上・進物品の4種があったことを整理している。このうち③の誂物は、日本か...
日本薬局方の先駆
日本薬局方の先駆 ◆このほど、佐賀大学地域学歴史文化研究センターで、『薬種商野中家からみる江戸時代の佐賀ー第7回地域学シンポジウムの記録』を刊行した。必要な向きは、センター(0952-28-8378)へ送料負担で申し込めば本代は無料で送っていただける。 ...
新刊紹介:近代医学の先駆者ーハンターとジェンナー
山内一也『近代医学の先駆者』(岩波書店、2016年1月20日、1900円+税)が出た。18世紀からの自然誌(博物学)の興隆が近代医学を変えたという流れから、解剖医ハンターとその弟子である種痘の発見者ジェンナーの生涯と業績を、種痘史とともに紹介