佐賀医人伝(2)ー天野房太郞
『佐賀医人伝』メモ(2) 天野房太郞。唐津出身医師。ずっと以前に医史跡マップ作成のときに、伊万里市へ調査にでかけ、写真撮影をしたことがあった。今回、再度、碑文調査のため、昨年10月19日に、再調査にでかけた。7.8年前は、伊万里市波多津町辻の高尾山公園も整備されていたが、今...
医師天野房太郎
天野(あまの)房太郎(ふさたろう)(文久二年~昭和一六年、一八六二~一九四一) 唐津の仁医 唐津藩士の子として産まれ、好生館で修業後、東京で細菌法医学精神学校衛生諸科に学び、明治二六年(一八九三)、波多津村辻(現伊万里市)で開業した。以来三〇年、患者の貧富の別なく、薬代や治...
鹿島藩医師秋永宗寿
秋(あき)永(なが)宗(そう)寿(じゅ)(一七世紀後半~一八世紀前半) 鹿島藩三代藩主直朝侍医 秋永宗寿(鄰周)は、鹿島藩三代藩主鍋島直朝の主治医。当初は佐賀に在住していた。直朝の重大な症状のときには、佐賀から船に乗って、浜町の舟津に上陸して往診したという。直朝が宝永六年(...
皆川淇園はカルテの書き方を教えた
昨日、京都の儒者皆川淇園の門人になぜ医者が多いのか、それは現代におけるカルテの書き方を教えていたからだ、と記したら、廣川和花さんからそれは重要な要素です、詳しく教えてくださいというコメントがあったので、ちょっと専門的になりますが、良い論文を紹介します。◆それは、私の科研費報...
新刊紹介:藤倉一郎『イブン・ナフィス』(近代文藝社、1000円+税)
◆医学史研究者でもこの人の業績を知る人は少ない。イブン・ナフィス(1213?~1288)という13世紀アラビアの医師である。 ◆ヨーロッパ医学史において、血液循環をめぐる研究は、ローマ帝国時代の解剖医ガレノス(129?~200?)が発表してから、その学説は、イタリアのコロ...
佐賀医人伝・諫早医師犬尾文郁
犬尾文郁(いぬおぶんいく) (文化元年?~明治三年 一八〇四?~一八七〇) 諫早領主侍医・内科医 諌早領医師犬尾文郁は、医家犬尾官吾の子として生まれた。官吾は天保一二年(一八四一)九月五日に没している。墓碑には観山了梧居士とある。文郁は、医業を父や近隣の医師田嶋牛庵に学び、...
諫早の在村蘭方医木下元俊
諫早の医師で木下元俊(のち安永元俊)という医師がいます。幕末にボードインに学んだ蘭方医です。薬箱や外科道具、明治初期の医学書などの医学資料は、長崎歴史文化博物館に寄贈してあります。光冨博さんの研究によって知ったので、諫早の御子孫の安永産婦人科へ行って、いろいろお話をおうかが...
『ライデン国立民族学博物館蔵ブロムホフ蒐集目録』
◆松井洋子・マティ・フォラー責任編集『ライデン国立民族学博物館蔵ブロムホフ蒐集目録』(臨川書店、9200円プラス税、2016年3月、写真)が出た。 ◆ブロムホフは、1809年に荷役夫として来日し、帰国後、1817年に商館長として再来日。ところが、家族を伴って来たので、幕府...
三枝俊徳日記と上総佐貫藩の種痘
◆先日、緖方塾の解剖のことを書いたら、千葉のTさんから本がでているよと教えていただいた。早速注文したところ、本日午前中に届いた。三枝一雄編『三枝俊徳日記』(崙書房、2800円、2012年)である。興味深い内容ばかりだったので、ほかの仕事をさしおいて一気に読んでしまった。 ...
新刊紹介:布施田哲也翻訳『アメリカ海軍医ボイヤーの見た明治維新ー1868~1869年の日本』(デザインエッグ社、2016年9月26日よりAmazonで販売、2894円送料無料)
◆本日(17日)には、とてもうれしい、待ち望んだ本が届いた。それは、布施田哲也翻訳『アメリカ海軍医ボイヤーの見た明治維新ー1868~1869年の日本』(デザインエッグ社、2016年9月26日よりAmazonで販売、2894円送料無料)である。ボイヤーといってもほとんど知るこ...