井上友庵の医療道具(10)膏薬鍋
井上友庵の医療道具(10) 膏薬鍋 ◆友庵は「但シ赤金 一 膏薬鍋 壱ツ 代五拾匁」 と、膏薬鍋を注文しています。膏薬を練りあげるための鍋です。 ◆華岡青洲が、中国の医書『外科正宗』に記されている潤肌膏をもとに創案した膏薬を紫雲膏といい、現在でも成分は少し変わりましたが...
井上友庵の医療道具(9)歯科道具
井上友庵の医療道具(9)歯科道具 ◆友庵は口中科(歯科、舌診など)関係の道具を購入しています。「一 口中三ツ道具 代拾匁五分、 一 口中焼金 壱本 代四匁五分、 一 焼金 但品々取合 六本 代三拾七匁、 一 口中吹筒 尤真鍮 壱本、代四匁五分、...
井上友庵の系図
井上友庵の系図 ◆佐賀県立図書館に、鍋島家文書のコピー複製本があり、そのなかの『系図(イの部)2』に、井上友庵の系図がみつかった。それによると、井上友庵は寛政9年(1797)5月6日生まれで、兄仲民にしたがい外科医術を学び、上達したので文化11年(1814)5月1日に鍋島...
井上友庵の医療道具(8)ノコギリと麻酔
井上友庵の医療道具(8)ノコギリと麻酔 ◆友庵は、ホネヒキノコギリを2挺注文しています。「一 ホネ引ノコ切 壱挺 代拾五匁、 一 同 壱挺 代拾匁」とあります。文字通り骨を引き切るノコギリです。◆江戸時 代に脱疽という主に足先が壊死する病気がありました。炭疽菌に感染したり、...
井上友庵の医療道具(7)カテーテル
井上友庵の医療道具(7)カテーテル ◆文化15年(天保元年=1804)に友庵が注文した外科道具にカテーテルがありました。「但銀細工男形 一 カテイトル 壱本 代五拾匁、 但シ銀 一 同女ノ形 壱本 代八匁五分」とあり、男用が銀細工で50匁、女用は銀製なのですが8匁5分と...
井上友庵の医療道具(6)サグリ 産科道具
井上友庵の医療道具(6)サグリ ◆友庵はサグリを2本購入しています。「但くじら 一 サクリ 弐本 代三匁五分」とあり、クジラ製の道具です。これもやはりミヒェル先生らの調査報告書にでています。久保記念館(福岡市東区馬出、九州大学耳鼻咽喉科)に、「片倉元周(1751-182...
井上友庵の医療道具(5)ヒストロス
井上友庵の医療道具(5)ヒストロス ◆友庵は、ヒストロスを1本7匁5分で購入予定です。さて、ヒストロスとはなんでしょう。ミヒェル先生らの江戸のモノづくり報告書の九州国立博物館の医療器具調査のなかに、ヒストロス(ヒストロメス)がありました。それは先が細く曲がった写真のようなも...
井上友庵の医療道具(4)ランビキ
井上友庵の医療道具(4)ランビキ ◆西洋の外科道具にはランビキは欠かせないものです。友庵は、赤金のランビキ一組を代65匁で購入予定です。やはり、かなり高価です。ランビキのウィキペデイアの説明が、おそらくミヒェル先生が執筆されたものでしょうが、もっとも的確です。「ランビキまた...
井上友庵の医療道具(3)コロンメス、ランセッタ
井上友庵の医療道具(3)コロンメス、ランセッタ 友庵は、コロンメスを1本、代6匁5分で購入予定です。写真は青洲の里所蔵の華岡流コロンメスとバヨネット型剪刀です。コロンメスは、青洲が改良し、手のひらに包み込めて指先の細かい動きが伝わるよう全体が湾曲し、はさみも柄の部分を曲げて...
井上友庵の医療道具(2)京都三条通り安信見積もり
井上友庵の医療道具(2) 井上友庵が蓮池藩に提出した外科道具の見積書は以下の通りです。 驚くほどたくさんの道具が必要だったのです。友庵は25両の借用を願ったのですが、20両しか貸してもらえませんでした。が、なんとか工面してのこれら道具を購入したのでしょう。これらについて...